相続の発生から申告・納税まで。まずは全体像を把握しましょう。
相続税の申告には期限があり、1.〜7.までは3か月以内に、8.〜9.は4か月以内に、
10.〜13.までは10ヶ月以内にやらなければ、国が定めた方式にのっとって相続方法が
決められたり、延滞税を支払わなければいけなくなります。最悪の場合、借金だけを背負って
相続が完了といった事態を引き起こすので、一つ一つを慎重に進めてください。
1.被相続人の死亡 = 相続の開始
相続は、被相続人が死亡した時点で発生します。相続の申告書を提出した時点ではないので
ご注意ください。
2.通夜・葬儀
3.遺言書の有無を確認
4.四十九日法要
5.法定相続人の決定
4.まではいわゆる「お葬式」と言われていることで、なんとなくイメージがつくものでは
ないでしょうか? ここからが相続税の申告のために必要なやるべきステップになります。
まずは、「誰が相続するのか?」を確認しましょう。ここで確認しないと後々、揉めることに
なりますので正確に相続人を確認しましょう。
6. 相続財産の確認
相続手続きを円滑に進めるには、被相続人が所有していた財産の内容と価値を正確に把握する
必要があります。
財産は、土地や建物などの不動産や自動車などの動産といった「プラスの財産」に加え、
借金などの「マイナスの財産」も 含まれますので、すべてを含めて「何を残したのか」を
調べましょう。
7.相続放棄・限定承認・単純承認など、相続方法の選択
相続は、6.で調べたプラスの財産だけでなくマイナスの財産(負債)、すべて相続します。
しかし、プラスの財産よりもマイナスの財産(負債)が多い場合にも、すべてを相続しなければ
ならないとするのは酷ですので、相続人は3種類の相続方法を選ぶことができます。
・単純承認・・・手続き不要。プラスの財産も、マイナスの財産もすべて相続する
・限定承認・・・手続き必要。マイナスの財産がプラスの財産を超過した場合には負担しない
・相続放棄・・・手続き必要。すべての財産を一切相続しない
------------------------------ここまでを3か月以内に行います------------------------------
8.準確定申告
通常の確定申告と手続きは同じで、年の途中で亡くなった人の確定申告も、申告が必要になります。
これを準確定申告といいます。
9.遺産分割協議・遺産分割協議書の作成
遺言がない場合は、遺産は相続人で分割して相続します。
そして、遺産を具体的に誰にどのように分けるか?を話し合うのが「遺産分割協議」です。
遺産分割協議には、相続人全員の参加が必須になります。一人でも不参加の場合、協議は無効に
なります。
遺産を「誰に・どの配分で」分けるのか決まったら「遺産分割協議書」を作成します。
10.相続税の計算・申告書の作成
誰に、いくら相続し、各人がどれほど相続税を支払うべきかの計算と税務署への申告書を作成します。
11.納税方法の選択・決定
相続税の納付方法を選択します。納付方法は下記です。
@現金に納付書を添えて納付する
A指定した金融機関の預貯金口座から振替納税する
B延納・物納(相続税・贈与税)
があります。
12.遺産の分割・名義変更
相続財産の名義変更の手続きをします
遺産分割協議書をした場合は、遺産分割協議書に基づいて、遺言の場合は遺言書に基づいて行います。
名義変更の際には、被相続人の戸籍謄本など必要な書類があります。
13.相続税の申告・納税
今までで作ってきた相続税の書類や計算をもとにして、お住まいの税務署に相続税の申告・納税を
行います。
------------------------------ここまでを10か月以内に行います------------------------------
14.一周忌法要
相続が終了してひと段落。気持ちのいい1周忌が迎えられるように、親族同士でもめることのない、
納得のいく相続を行ってください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ステップがたくさんあり、特に相続税の申告が初めての方は、相続人
などの決定や書類など、決めることや書くことがたくさんに思えるかもしれませんね。
丁寧に理解してやっていけば、おひとりでも相続税の申告はできますので、ご紹介した記事を
読みながら、相続税の申告を進めてみてください。
全体像を把握したところで、不安がよぎった方は、プロに相談するのも一つの手です。無理に
相続のお手続きをやるようにお話を進めることはありません。
一緒に相続税申告のご不安を解消させていきましょう!
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